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気分上々

乳がん手術後の二人の患者さんとの本日のやりとりから〜


投稿日:2011年4月21日


昨日手術を受けたHさん(63歳)

今朝8:30。病室を訪問するや否や「先生、ありがとう!」とベッドから笑顔で握手を求められました。乳房温存術+センチネルリンパ節生検という縮小手術ながら、あまりにお元気だったので驚きました。もちろん、喜んでしっかりと握手をさせていただきました。日常診療の些細な出来事ですが、外科医をやっていて良かったと思える瞬間です。日々の診療は雑務が多くて正直疲弊することも多いのですが、あらためて乳腺外科医を続ける決意が湧きました。1ヶ月後にはギターの演奏会を控えているHさん。きっといい演奏ができると思います。


本日退院となったTさん(50歳)

退院前のあいさつで病室を訪問したときのTさんの一言。「手術後に自分のおっぱいが残っているのを見たら、涙がでたよ。先生、おっぱいを残してくれてありがとう!」手術前の最初の説明では、乳房は残さず全摘して欲しいと言われていました。早期がんであること、乳房温存術と乳房切除術で成績は変わらないこと、乳房温存療法の長所と欠点など数回にわたり説明すると、手術直前に「やっぱり乳房を残したい」と。乳房温存術後の経過も順調で本日めでたく退院となりました。もうすぐ判明する最終病理検査次第ですが(おそらく大丈夫と思います)、結果が良ければ選択は大正解だったことになります。まずは久しぶりのわが家へ帰って、ご家族と一緒にゆっくりしてくださいね。


どちらも短いやりとりでしたが、僕にとってはたいへん嬉しい出来事でした。おかげでいつにも増して気分よく仕事ができました。加えて、クリニック内装工事のB工事・C工事の最終見積額の連絡があり、想定内の金額におさまったことで、本日は気分上々でした。

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